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知的財産高等裁判所の判決に対する弊社の見解


 平成17年10月6日に言い渡された知的財産高等裁判所の判決に対する弊社の見解は次のとおりです。

【 裁判の争点についての説明 】
控訴審における裁判の争点は概ね次のとおりでした。なお、項目の後ろに※控訴審と記しているものは、読売東京が控訴審である知財高裁での裁判において追加したものです。

1.ヨミウリ・オンラインの記事見出し365個が著作権法の著作物といえるかどうか。
2.ヨミウリ・オンラインの記事見出し一般が著作物といえるかどうか(※控訴審)。
3.ライントピックスサービスがヨミウリ・オンラインの記事本文の著作権(複製権)を侵害するかどうか(※控訴審)。
4.ライントピックスサービスが不正競争防止法2条1項3号の不正競争行為といえるかどうか(※控訴審)。
5.ライントピックスサービスが違法であり、不法行為にあたるかどうか。
6.不法行為にあたるとする場合、差止請求が認められるか。

【 控訴審判決の概要 】
 控訴審判決は、上記争点のうち、著作権に基づく請求(1〜3)及び不正競争防止法に基づく請求(4)を全て認めませんでした。しかし、控訴審判決は、(5)については肯定し、弊社に対し、23万7741円の支払を命じました。但し、不法行為を理由とする差止請求(6)については認めませんでした。

【 控訴審判決に対する弊社の見解 】
  まず、控訴審判決が、ヨミウリ・オンラインの記事見出しについて、全て著作物性を否定したことは高く評価できると思います。
  読売東京は、特に〔1〕「マナー知らず大学教授、マナー本海賊版作り販売」、〔2〕「蓮池・奥土さん、赤倉温泉でアツアツの足湯体験」〔3〕「道東サンマ漁、小型漁船こっそり大型化」、〔4〕「中央道走行車線に停車→追突など14台衝突、1人死亡」〔5〕「国の史跡傷だらけ、ゴミ捨て場やミニゴルフ場…検査院」、〔6〕「『日本製インドカレー』は×…EUが原産地ルール提案」について、創作性が高く著作物性が認められると主張していました。しかし、控訴審判決は、〔1〕について、「上記のような体躯的表現は一般に用いられる表現であって、上記YOL見出しは、ありふれた表現の域を出ない」、〔2〕について、「『アツアツ』との表現も普通に用いられる極めて凡俗な表現にすぎない」、〔3〕について 、記者の印象や意図は「アイデアの域を出ないものであって、見出しの表現として表れたものが…上記のように(アイデアの域を出ないと)判断される以上、上記YOL見出しの表現が著作物として保護されるための創作性を有するとはいえない」などと判示して創作性を否定しました。まさに弊社の反論がそのまま認められた内容です。
  また、読売東京は、ヨミウリ・オンラインの記事見出し一般について、著作物性が認められるとの主張もしていましたが、この点も控訴審判決は明確に否定しました。控訴審判決は、ニュース報道における記事見出しについて、創作性を肯定し得る余地は残しながらも、「報道対象となる出来事等の内容を簡潔な表現で正確に読者に伝えるという性質から導かれる制約があるほか、使用し得る字数にもおのずと限界があることなどにも起因して、表現の選択の幅は広いとはいい難く、創作性を発揮する余地が比較的少ないことは否定し難いところであり、著作物性が肯定されることは必ずしも容易ではないものと考えられる。」と述べ、結局、読売東京の主張した見出し全部について著作物性を認めませんでした。このような控訴審判決による限り、ヨミウリ・オンラインのような報道記事の見出しについて、著作物性が肯定される場合はほとんどないと考えられます。したがって、読売東京の提訴時に弊社が危惧したような「一部の報道機関が事実についての表現を独占する不当な事態」は避けられ、当初の目的を達したと考えております。

  次に、読売東京の不正競争防止法2条1項3号違反を理由とする請求について、控訴審判決は、ヨミウリ・オンラインの見出しは「商品の形態」にはあたらない旨判断しましたが、これは弊社の主張どおりでありますし、法律の解釈としても当然と考えております。

  最後に、不法行為を理由とする請求について、控訴審判決が、結論として、弊社のライントピックスサービスを違法行為であると認定し、23万7741円の損害賠償を認めたことは遺憾というほかありません。裁判でも主張してきましたとおり、ライントピックスサービスの広告は、最低限の運営費を捻出する目的で挿入していたもので、実際にも運営費にも満たない収入しかありませんでしたが、これが営利目的と評価されたことは誠に残念です。他にも、従来、裁判で不法行為が認められた事例と比較すると、加害の目的や業務としての競合性、損害の有無などについても、認定が不充分な面があると考えており、裁判所の判断には疑問が残ります。

  ただ、結論はともかく、不法行為についての控訴審判決の内容に弊社が全て不服であるかというとそうでもありません。例えば、控訴審判決には、「他人の形成した情報について、契約締結をして約定の使用料を支払ってこれを営業に使用する者があるのを後目に、契約締結をしないでそれゆえ無償でこれを自己の営業に使用する者を、当該他人に実損害が生じていないものとして、何らの費用負担なくして容認することは、侵害行為を助長する結果になり、社会的な相当性を欠くと言わざるを得ない。」と書かれている部分があり、これが控訴審判決の根本的価値判断と理解されます。弊社としては、ライントピックスサービスを「営業」とは考えておりませんでしたし、読売東京に損害が生じるなどということはありえないと確信しておりますので、上記裁判所の価値判断をライントピックスサービスに当てはめられ、損害賠償が認容されたことには大いに不服があります。しかし、弊社としても、当初から、「記事見出しを利用して何をしても全て自由」などと考えているわけではありません。しかも、控訴審判決においては、読売東京の主張のうち、著作権に基づく請求が主張立証の大半であって、その点では読売東京が全て敗訴していること、読売東京が弊社との間で適切な事前交渉を行っていないこと、弊社が遠隔地からの応訴を余儀なくされたこと等、弊社の主張を充分考慮した指摘もなされました。とりわけ、本件の訴訟費用について、「訴えの提起及び控訴の提起の申立手数料の1万分の5を被控訴人(弊社)の負担とし、その余の訴訟費用をすべて控訴人(読売東京)の負担とする」との判断は、読売東京の提訴内容に対する裁判所の考え方が示されていると考えております。

【 控訴審判決に対する対応について 】
  以上の見解のとおり、弊社は控訴審判決に対する不服を持ってはおりますが、見出しの著作物性が全て否定され、当初の目的の大部分を達したこと、控訴審判決の内容に賛同できる部分も多くあることから、悩んだ末、上告を見送ることに致しました。
  今回の裁判に際しまして、ユーザーをはじめとした多くの皆様から激励の言葉、メール等をいただき、お陰様で、弊社としましても、今日まで勇気を持って訴訟活動を続けることができました。本当にありがとうございました。上告見送りに伴う今後のライントピックスサービスの運用に関しましては、別途、弊社ホームページ上で発表させていただきます。

  ユーザーの皆様にはご不便をおかけ致しますが、何卒ご理解の程よろしくお願い申し上げます。
     
2005年10月25日
有限会社デジタルアライアンス 
LINETOPICS事務局  

     
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